認知症サポートの道

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地域型認知症予防プログラムとは?仲間と一緒に楽しく認知症予防をしよう

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https://youtube.com/shorts/gPk6fmSAc1Q?si=FVcfCzSsGCA3mHo3

認知症は、高齢者の健康と生活の質に大きな影響を与える疾患です。認知症の発症は遺伝的な要因だけでなく、生活習慣や環境にも関係しています。認知症の予防には、適度な運動や知的活動が有効であるという研究結果があります¹²。

しかし、運動や知的活動を習慣化するのは簡単ではありません。特に、高齢者は孤立やモチベーションの低下などの障害に直面することが多く、自分だけで行動を変えるのは困難です。そこで、地域の仲間と一緒に楽しく活動することが、認知症予防のための行動変容を促すことになります。

地域型認知症予防プログラムとは、地域の高齢者が小集団で定期的にウォーキングやさまざまな知的活動を行うことで、認知症の発症を遅らせることを目的としたプログラムです³⁴。このプログラムは、東京都健康長寿医療センター研究所が開発したテキストを使用し、認知症予防ファシリテーターと呼ばれる専門の指導者が支援します。

このプログラムの特徴は、以下のとおりです。

- 参加者は自分の好みに合ったプログラムを選択できます。ウォーキング、料理、旅行、パソコンの4つのプログラムが用意されています。これらのプログラムは、認知症の発症に関係するエピソード記憶、注意分割機能、計画力などの認知機能を刺激することができます。
- プログラムは5〜6人程度の小集団で行います。これは、集団内でのコミュニケーションや協力を促し、メンバー同士のサポートや役割の遂行を可能にするためです。また、小集団であれば、個人のペースやニーズに合わせて活動を調整することができます。
- プログラムは原則として週に1回行います。これは、運動や知的活動を習慣化するためには、定期的かつ継続的に行うことが重要であるためです。プログラムの期間は、標準コースでは12週間、集中コースでは5週間です。
- プログラムの目標は認知症予防であることを参加者が意識します。これは、参加者が認知症予防の方法や意義を理解し、自分の行動を変えることに積極的になることを期待するためです。また、メンバーひとりひとりが認知症にならないことを目標にすることで、助け合いや役割分担が自然にできるようになります。
- プログラムはファシリテーターが支援します。ファシリテーターは、認知症予防に有効な活動方法についての情報を提供し、モデルを示します。また、プログラム活動の中でメンバー同士が楽しく、そして信頼関係が構築できるよう支援を行います。グループが自立した後も時々活動をモニターし助言をします。
- 参加者は自立して活動の継続を目指します。プログラムを終了した後も、メンバーは自分たちで活動を続けることを目指します。そのために、プログラムの中で自分の達成できそうな目標を決めたり、活動の記録や報告をしたりします。
- 活動グループの組織化をはかり、地域にプログラムを普及させます。活動グループがネットワークや組織を作り、地域の中で認知症予防の啓発活動や後続の活動を支援する担い手となることを目指します。ミニコミ誌の発行や活動発表会の開催などを通して認知症予防の啓発を行ったり、行政や市民団体と協力して後発グループの立ち上げを支援したりします。
- プログラムの行動評価と結果評価を行います。ウォーキングや知的活動プログラムにおいて行動目標を設定し、それが達成されたかどうかについて行動評価を行います。また、プログラムの効果評価として集団の認知機能検査(ファイブ・コグ)を実施し認知機能が維持されたかどうかの評価を行います。

地域型認知症予防プログラムは、高齢者の健康と生活の質の向上に貢献するだけでなく、地域社会の活性化や連携にもつながるプログラムです。認知症予防のために、地域の仲間と一緒に楽しく活動してみませんか?