介護現場で使える【回想法】のコツとテーマ選びのポイント
介護の現場でよく使われる「回想法」という方法について、説明したいと思います。
回想法とは、高齢者の方に過去の思い出を話してもらうことで、心理的な安定や自己肯定感を高めるとともに、認知機能の維持や向上にも効果があるとされる方法です。回想法は、一対一でもグループでも行うことができますが、今回はグループで行う場合のポイントをお伝えします。
グループで回想法を行う場合、まず大切なことは、参加者の方々がリラックスして話せる雰囲気を作ることです。そのためには、以下のような工夫が必要です。
- 参加者の方々に挨拶をして、自分の名前や役割を伝える
- 参加者の方々にも自己紹介をしてもらう
- 回想法の目的や流れを説明する
- 参加者の方々に質問や意見があれば遠慮なく言ってもらうように伝える
次に大切なことは、回想させるテーマを適切に選ぶことです。テーマは、参加者の方々が興味を持ちやすく、楽しく話せるものであることが望ましいです。また、テーマによっては、感情的になったり、トラウマを思い出したりする可能性もあります。そのため、以下のような注意点もあります。
- プライベートなテーマは、回を重ねてお互いの関係が深まった頃に提示する
- 最初のうちは、誰もが比較的肯定的な回想が予想できるテーマを選ぶ
- テーマは一つに絞らず、複数用意しておく
- 参加者の方々の反応や気分に応じてテーマを変更する
では、具体的にどんなテーマが良いかというと、例えば以下のようなものがあります。
- 子ども時代や青春時代の思い出
- 旅行や趣味に関する思い出
- 人生で影響を受けた人や出会った人に関する思い出
- 季節や行事に関する思い出
これらのテーマは、参加者の方々が共通して経験したり感じたりしたことが多く、話題が広がりやすいです。また、写真や音楽などの刺激材を使って回想させることも効果的です。
最後に大切なことは、参加者の方々の話を聞く姿勢です。回想法では、話すことだけでなく聞くことも重要です。そのためには、以下のようなことに気を付けましょう。
- 目を見て相槌を打つ
- 話が途切れたら優しく促す
- 話題を変えたり否定したりしない
- 感想や共感を伝える
- 質問や感想を他の参加者にも促す
以上、グループで回想法を行う場合のポイントをお伝えしました。回想法は、高齢者の方々にとっても、介護従事者にとっても、有意義な時間になると思います。ぜひ、実践してみてください。
回想法についてより詳しい記事はこちら。