【日常生活自立支援事業】:対象者と援助内容のご紹介 | 地域での自立生活をサポート
日常生活自立支援事業とは、判断能力が不十分な方(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等)が地域で自立した生活が送れるよう、利用者と契約して福祉サービスの利用援助等を行う事業です。この記事では、この事業の実施主体、対象者、援助の内容、手続きの流れ、利用料についてご紹介します。
実施主体
この事業は、都道府県・指定都市社会福祉協議会が行っています。ただし、窓口業務等は市町村の社会福祉協議会等で行われます。利用希望者は、お住まいの市町村の社会福祉協議会で相談することができます。
対象者
この事業の対象者は、次の条件を満たす方です。
- 判断能力が不十分な方
- 本事業の契約の内容について判断し得る能力を有している方
- 利用者本人が契約することに同意し、契約内容を理解できる方
援助の内容
この事業では、次のような援助を行います。
- 福祉サービスの利用援助
- 苦情解決制度の利用援助
- 利用した福祉サービスに不満や問題があった場合、苦情解決制度(第三者委員会等)を利用するための手続きを代行します。
- 住宅改造、居住家屋の貸借、日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助等
- 利用者が安全で快適な生活を送るために必要な住宅改造や家賃交渉、電気や水道等の契約や解約、住民票の移動や転出等の手続きを代行します。
- 預金の払い戻し、預金の解約、預金の預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)
- 利用者が自分のお金を適切に管理できるように、預金口座の開設や解約、お金の引き出しや預け入れ等の手続きを代行します。
- 定期的な訪問による生活変化の察知
- 利用者の生活状況や健康状態に変化がないか、定期的に訪問して確認します。必要に応じて、援助内容や実施頻度等の支援計画を見直します。
手続きの流れ
この事業を利用するためには、次の手続きが必要です。
- 申請(相談)
- 利用希望者は、お住まいの市町村の社会福祉協議会で申請(相談)を行います。
- 判断能力の判定
- 実施主体は、利用希望者の判断能力が不十分かどうかを判定します。その際、利用希望者本人や家族等と面談したり、医師やケアマネジャー等から意見を聞いたりします。
- 契約締結
- 実施主体は、利用希望者が対象者の要件に該当すると判断した場合には、利用希望者本人や家族等と協議しながら、援助内容や実施頻度等を決める「支援計画」を作成し、契約を締結します。
- 契約内容や本人の判断能力等の確認を行う「契約締結審査会」及び適性な運営を確保するための監督を行う第三者的機関である「運営適正化委員会」が設置されています。これらの機関は、利用者が安心して利用できるように事業の信頼性や的確性を高める役割を果たしています。
利用料
この事業では、実施主体が定める利用料を利用者が負担します。平均的な利用料は、訪問1回あたり1,200円です。ただし、契約締結前の初期相談等は無料です。また、生活保護受給世帯は利用料が免除されます。
以上が日常生活自立支援事業についての概要です。この事業は、判断能力が不十分な方が地域で自立した生活が送れるように支援する貴重な制度です。もし自分や家族がこの事業の対象者に該当すると思われる方は、お住まいの市町村の社会福祉協議会で相談してみてください。