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認知症アクティビティの効果と方法: 試験3級第4章の解説

こんにちは、このブログをご覧いただきありがとうございます。今回は、認知症ライフパートナー検定試験3級の第4章「認知症とアクティビティ」について、解説したいと思います。この章では、認知症の方にとってアクティビティがどんな意味を持ち、どんな効果をもたらすのか、そしてどんなアクティビティがあるのかについて学びます。アクティビティは、認知症の方の生活の質を高めるために欠かせないものです。ぜひ参考にしてください。

4-1 認知症とアクティビティ

まずは、アクティビティとは何かについて理解しましょう。アクティビティとは、日常生活や趣味など、人が自発的に行うさまざまな活動のことです。アクティビティには、身体的なものや精神的なもの、社会的なものや文化的なものなど、様々な種類があります。例えば、散歩や体操、絵画や工作、歌や踊り、会話やゲームなどがあります。

アクティビティは、認知症の方にとってどんな効果があるのでしょうか。以下に主な効果を挙げます。

  • 身体機能の維持・向上:アクティビティは、筋力や柔軟性、バランス感覚などを鍛えることができます。これにより、転倒や骨折などの予防や回復に役立ちます。また、有酸素運動は血流を良くし、心肺機能や免疫力を高めます。
  • 脳機能の維持・向上:アクティビティは、記憶や判断力、注意力などを刺激することができます。これにより、認知症の進行を遅らせることができます。また、有酸素運動は脳内に新しい神経細胞や血管を作ることができます。
  • 情緒・気分の安定・向上:アクティビティは、楽しみや達成感を与えることができます。これにより、自己肯定感や自尊感情を高めることができます。また、ストレスや不安、うつなどを軽減することができます。
  • コミュニケーション・社会性の維持・向上:アクティビティは、他者との交流や協力を促すことができます。これにより、孤立感や寂しさを減らすことができます。また、人間関係や役割感を保つことができます。

以上のように、アクティビティは認知症の方に多くのメリットをもたらします。しかし、すべてのアクティビティが認知症の方に適しているわけではありません。個人差や状況に応じて適切なアクティビティを選択し、進め方や評価方法にも注意する必要があります。次の節では、そのポイントについて学びます。

4-2 アクティビティ・ケアの基本

アクティビティ・ケアとは、認知症の方に対してアクティビティを提供することで、その方の能力やニーズに応えることを目的としたケアのことです。アクティビティ・ケアには、以下のような種類があります。

  • 日常生活活動(ADL):食事や入浴、排泄などの基本的な生活動作のことです。これらは生命維持に必要なものであり、自立度を示す指標でもあります。認知症の方には、できるだけ自分で行えるように支援することが大切です。
  • 儀礼的活動(RDL):仕事や家事、趣味などの社会的な役割や個人的な価値観に関連する活動のことです。これらは自己実現や生きがいに関係するものであり、人格やアイデンティティを示す指標でもあります。認知症の方には、できるだけ以前の生活スタイルや好みに沿ったものを選択することが大切です。
  • 余暇活動(LDL):遊びや娯楽などの楽しみや癒しに関連する活動のことです。これらは心身の健康や幸福感に影響するものであり、気分や感情を示す指標でもあります。認知症の方には、できるだけ楽しくリラックスできるものを提供することが大切です。

アクティビティ・ケアを行う際には、以下の手順を踏むことが望ましいです。

  1. 評価認知症の方の身体的・精神的・社会的な状態や能力、ニーズや希望などを把握することです。評価には、観察や聞き取り、検査や尺度などを用いることができます。
  2. 計画:評価した結果に基づいて、認知症の方に適したアクティビティ・プログラムを立案することです。プログラムには、目的や目標、内容や方法、時間や場所、人員や資材などを明確に記載します。
  3. 実施:計画したプログラムを実行することです。実施には、準備や説明、進行や支援、片付けなどが含まれます。実施中には、認知症の方の反応や変化に注意して対応します。
  4. 評価:実施したプログラムの効果や問題点を検証することです。評価には、観察や聞き取り、記録や分析などを用いることができます。
  5. 改善:評価した結果に基づいて、プログラムの改善点や改善方法を考えることです。改善には、内容や方法、時間や場所、人員や資材などを見直すことができます。改善したプログラムは、再び評価から実施までのサイクルを繰り返します。

以上のように、アクティビティ・ケアを行うには、評価・計画・実施・評価・改善の5つのステップが必要です。これらのステップを踏むことで、認知症の方に最適なアクティビティ・プログラムを提供することができます。

4-3 アクティビティ・ケアの実際

最後に、具体的なアクティビティの例について紹介します。アクティビティには、様々な種類がありますが、ここでは代表的なものを挙げます。

  • リミニセンス:過去の思い出や経験について話したり聞いたりするアクティビティです。写真や音楽、香りなどを使って記憶を呼び起こすことができます。リミニセンスは、認知症の方の自己表現や自己肯定感を高める効果があります。
  • レミニライフ:リミニセンスを発展させたアクティビティです。過去の思い出や経験をもとに、自分の人生の物語を作り上げたり共有したりすることです。レミニライフは、認知症の方の人格やアイデンティティを保つ効果があります。
  • バリデーション認知症の方の感情やニーズに寄り添って理解しようとするアクティビティです。質問や反応、身振り手振りなどを使ってコミュニケーションを図ることです。バリデーションは、認知症の方の不安や孤立感を減らす効果があります。
  • リアリティオリエンテーション:現在の時間や場所、人物などについて教えたり確認したりするアクティビティです。時計やカレンダー、掲示板などを使って現実感覚を促すことができます。リアリティオリエンテーションは、認知症の方の混乱や錯覚を防ぐ効果があります。
  • マルチセンサリー:五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)に刺激を与えるアクティビティです。色や形、音や声、香りや味、温度や質感などを感じることができます。マルチセンサリーは、認知症の方の注意力や集中力を高める効果があります。
  • 音楽療法:音楽や歌に関するアクティビティです。聴くだけでなく、歌ったり演奏したりすることもできます。音楽療法は、認知症の方の記憶や感情、コミュニケーションを改善する効果があります。
  • アート療法:絵画や工作などの芸術活動に関するアクティビティです。作るだけでなく、見たり感想を言ったりすることもできます。アート療法は、認知症の方の創造力や表現力、自己実現を促進する効果があります。
  • ペットセラピー:動物と触れ合うアクティビティです。犬や猫などのペットを飼ったり、動物園や牧場などに行ったりすることができます。ペットセラピーは、認知症の方のストレスや孤独感を軽減する効果があります。

以上が、認知症ライフパートナー検定試験3級の第4章「認知症とアクティビティ」についての解説でした。この章では、アクティビティの意義や効果、種類や手順、例などについて学びました。アクティビティは、認知症の方の生活の質を高めるために重要なものです。ぜひ実践してみてください。それでは、またお会いしましょう。ありがとうございました。

 

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