認知症サポートの道

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認知症のBPSDに先手を打つ!

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認知症のBPSDへの対応方法として、「一手だけ先手を打つ」という方法が有効であるということをご存知でしょうか? BPSDとは、認知症の方が見せる行動や心理の変化のことで、徘徊や暴言、幻覚などさまざまな症状があります。これらの症状は、認知症の方にとっても、介護する家族にとっても大きなストレスとなります。しかし、BPSDは必ずしも薬物療法で治す必要はありません。実は、日常生活の中でできる簡単な工夫で、BPSDの発生や悪化を防ぐことができるのです。その工夫の一つが、「一手だけ先手を打つ」という方法です。この記事では、この方法の具体的な内容と効果について解説します。

 


「一手だけ先手を打つ」とは、認知症の方の状態や気分に合わせて、介護者が一歩先に行動することです。例えば、認知症の方が不安になって徘徊しようとする場合、介護者はその前に一緒に散歩に出かけたり、趣味の話題を振ったりして気分転換を図ります。また、認知症の方が攻撃的になって暴言を吐く場合、介護者はその前に優しく声をかけたり、笑顔で接したりして安心感を与えます。このように、介護者が一手だけ先手を打つことで、認知症の方の不快な感情や反応を和らげることができます。

 


この方法の効果は、認知症の方のBPSDの軽減だけではありません。介護者自身の負担やストレスも軽くなります。なぜなら、介護者はBPSDに対して受動的に対処するのではなく、能動的に関わることで、介護の主体性や自信を持つことができるからです。また、認知症の方とのコミュニケーションや信頼関係も深まります。これは、介護者と認知症の方の間の溝を埋めることにもつながります。

 


「一手だけ先手を打つ」という方法は、症状を直接治すわけではありませんが、最も現実的な方法の一つといえます。認知症の方の状態や気分に敏感になり、一歩先に行動することで、BPSDの発生や悪化を防ぎ、介護の質を向上させることができます。認知症の方を介護する方は、ぜひこの方法を試してみてください。

夕暮れ症候とは?認知症の人に起こりやすい症状とその対処法

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# 夕暮れ症候とは?認知症の人に起こりやすい症状とその対処法

認知症の人には、夕方になると不安や不穏な気持ちになり、家に帰りたがったり、家族を探したりする症状が起こることがあります。これを「夕暮れ症候」と呼びます。夕暮れ症候は、認知症の人の約20%から30%に見られると言われています。夕暮れ症候は、認知症の人にとっても、介護する家族にとっても、大きなストレスになります。では、なぜ夕暮れ症候が起こるのでしょうか?そして、どのように対処すればいいのでしょうか?

## 夕暮れ症候の原因

夕暮れ症候の原因は、はっきりとは分かっていませんが、以下のような要因が考えられます。

- **生体リズムの乱れ**:認知症の人は、昼夜の区別がつきにくくなります。夕方になると、日中の活動に疲れて眠くなりますが、夜になると目が覚めてしまいます。このように、生体リズムが乱れると、不安や不穏な気持ちになりやすくなります。
- **環境の変化**:夕方になると、周りの明るさや音が変わります。また、家族が帰宅したり、夕食の準備をしたりするなど、生活のリズムが変わります。これらの環境の変化に、認知症の人は適応できず、混乱や不安を感じることがあります。
- **記憶の混同**:認知症の人は、現在の自分の状況と、過去の自分の記憶を混同することがあります。夕方になると、子どもの頃の家に帰りたくなったり、亡くなった家族を探したりすることがあります。これは、認知症の人が、自分の居場所や家族の存在を確認したいという心理から起こると考えられます。

## 夕暮れ症候の対処法

夕暮れ症候に対処するには、以下のような方法が有効です。

- **日中の活動量を調整する**:日中に適度な運動や趣味などの活動をすることで、生体リズムを整えることができます。また、活動によって脳や身体の機能を維持することもできます。ただし、疲れすぎないように注意しましょう。
- **夕方の環境を工夫する**:夕方になると、部屋の明るさを十分に確保することで、昼夜の区別をつけやすくすることができます。また、テレビやラジオなどの音を小さくすることで、刺激を減らすことができます。さらに、夕食の時間を早めたり、簡単なメニューにしたりすることで、家族の負担を軽減することができます。
- **気持ちを受け入れる**:認知症の人が「家に帰りたい」と言ったときに、論理的に説明したり、否定したりすることは、逆効果になることがあります。その人の気持ちをいったん受け入れて、「家に帰りたいのですね。わかりました」と言ってあげましょう。そして、お茶やお菓子を用意して、「もう少しゆっくりしていってください」と誘導することができます。また、写真や思い出話などで、その人の心を落ち着かせることもできます。

## まとめ

夕暮れ症候は、認知症の人に起こりやすい症状です。夕暮れ症候の原因は、生体リズムの乱れや環境の変化、記憶の混同などが考えられます。夕暮れ症候に対処するには、日中の活動量を調整したり、夕方の環境を工夫したり、気持ちを受け入れたりすることが大事です。夕暮れ症候は、認知症の人だけでなく、介護する家族にとっても、大きな負担になります。家族だけで抱え込まず、専門家や支援団体などに相談したり、利用したりすることも忘れないでください。

 

認知症の方の行動と心理的症状(BPSD)とは?原因と対応策を知ろう

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# 認知症の方の行動と心理的症状(BPSD)とは?原因と対応策を知ろう

認知症の方は、記憶力や判断力などの認知機能の低下に加えて、さまざまな行動や心理的な症状を示すことがあります。これらの症状は、**行動と心理的症状(BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)**と呼ばれ、認知症の方の生活の質や介護者の負担に大きな影響を与えます。

BPSDの種類と頻度は、認知症の方によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

- **徘徊**:目的もなく歩き回ったり、外出しようとしたりする行動です。認知症の方の約6割が徘徊を示します。
- **夜間不眠**:夜に眠れなかったり、昼夜逆転したりする症状です。認知症の方の約4割が夜間不眠を示します。
- **攻撃性**:言葉や身体で暴力をふるったり、拒否したりする行動です。認知症の方の約3割が攻撃性を示します。
- **幻覚・妄想**:存在しないものを見たり聞いたりしたり、事実と異なる信念を持ったりする症状です。認知症の方の約2割が幻覚・妄想を示します。
- **抑うつ・不安**:悲しくなったり、落ち込んだり、不安や恐怖を感じたりする症状です。認知症の方の約2割が抑うつ・不安を示します。

BPSDは、認知症の中核症状を背景に、環境や人間関係、身体機能の低下などが絡み合って発生するものです。例えば、引っ越しや部屋の模様替えをすると、環境が変化したことへの理解力が低下しているため、それをきっかけに徘徊・夜間不眠などが出ることがあります。

BPSDの原因を特定することは、適切な対応策をとるために重要です。BPSDの原因は、以下のように分類できます。

- **生物学的要因**:脳の構造や機能の変化、身体の病気や痛み、薬の副作用などが含まれます。
- **心理的要因**:自己のアイデンティティや役割の喪失、孤独や無力感、過去のトラウマやストレスなどが含まれます。
- **社会的要因**:家族や介護者との関係、周囲の人の態度や反応、生活環境や日常のルーティンなどが含まれます。

BPSDの対応策は、原因に応じて異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

- **薬物療法**:BPSDの症状を緩和するために、抗精神病薬抗うつ薬などの薬を使用する方法です。薬物療法は、医師の指示に従って、必要最小限の量と期間で行うことが重要です。薬物療法には、副作用や依存性のリスクがあります。
- **非薬物療法**:BPSDの原因や背景に寄り添って、認知症の方の心理的・社会的ニーズに応える方法です。非薬物療法には、以下のようなものがあります。
- **環境調整**:認知症の方にとって安全で快適な生活環境を整えることです。例えば、部屋の明るさや温度を適切に調整したり、見慣れたものや思い出の品を置いたり、危険なものや刺激の強いものを取り除いたりします。
- **人間関係のサポート**:認知症の方にとって信頼できる人との関係を維持することです。例えば、家族や介護者が優しく声をかけたり、触れたり、笑顔で接したりします。また、認知症の方の気持ちや意見を尊重したり、共感したり、励ましたりします。
- **活動の提供**:認知症の方にとって楽しくて有意義な活動を提供することです。例えば、趣味や好きなことをしたり、音楽やアートなどの芸術活動をしたり、運動やリラクゼーションなどの身体活動をしたりします。活動は、認知症の方の能力や好みに合わせて選びます。

BPSDは、認知症の方の苦しみや困難を表すサインです。BPSDに対して、怒ったり、無視したり、否定したりするのではなく、理解しようとしたり、支えようとしたりすることが大切です。BPSDの原因を探り、適切な対応策をとることで、認知症の方の生活の質を向上させることができます。

 

認知症の人が過去にタイムスリップする理由とは?

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# 認知症の人が過去にタイムスリップする理由とは?

認知症の人と接するとき、不思議に感じることがあります。それは、現在の状況や人物を認識できなかったり、昔の出来事を今起こっているかのように話したりすることです。これは、認知症の人に「記憶の逆行性喪失」という特徴があるからです。この記事では、記憶の逆行性喪失とは何か、どのように対応すべきかについて解説します。

## 記憶の逆行性喪失とは

記憶の逆行性喪失とは、蓄積されたこれまでの記憶が、現在から過去にさかのぼって失われる現象をいいます¹²。認知症の人は、記憶力や理解力、判断力などの知的機能が低下するため、新しいことを覚えられなくなったり、覚えたことを思い出せなくなったりします。その結果、自分がどこにいるのか、誰と一緒にいるのか、何をしているのかが分からなくなります。

記憶の逆行性喪失は、記憶の種類によって異なります。記憶には、即時記憶、近時記憶、遠隔記憶の3つの種類があります³。即時記憶とは、数秒から数分の間に覚えたことを思い出す記憶です。近時記憶とは、数分から数日の間に覚えたことを思い出す記憶です。遠隔記憶とは、数日から数年、あるいは数十年の間に覚えたことを思い出す記憶です。遠隔記憶には、個人の生活史や歴史的事件に関する記憶(エピソード記憶)や、言語や計算などの知識や技能に関する記憶(意味記憶)があります。

認知症の人は、まず近時記憶が障害されます。そのため、ほんの少し前のことを忘れてしまい、同じことを何度も繰り返したりします。次に、エピソード記憶が障害されます。そのため、自分が体験した出来事の全体や内容を忘れてしまいます。最後に、意味記憶が障害されます。そのため、言葉の意味や計算の方法などを忘れてしまいます⁴。

記憶の逆行性喪失は、記憶の強度にも関係します。記憶の強度とは、記憶がどれだけ鮮明で確かなものかということです。記憶の強度は、記憶の形成に関わる感情や重要性などによって変わります。一般に、感情的に強い記憶や重要な記憶は、弱い記憶よりも長く残ります。しかし、認知症の人は、記憶の強度に関係なく、記憶が失われていきます⁵。

記憶の逆行性喪失によって、認知症の人は、自分の年齢や時代に合わない記憶に基づいて行動することがあります。例えば、若い頃の配偶者の顔を忘れてしまい、現在の配偶者を認識できなかったり、別の人と間違えたりすることがあります。また、子どもの頃に住んでいた家に帰ろうとしたり、すでに亡くなった親や友人に会いに行こうとしたりすることがあります。これらの行動は、認知症の人にとっては合理的で自然なものですが、周囲の人にとっては奇妙で不可解なものに見えます。

## 記憶の逆行性喪失に対する対応のポイント

記憶の逆行性喪失によって、認知症の人は、現実とは異なる世界に生きていると感じることがあります。そのため、周囲の人は、認知症の人の気持ちや状況を理解し、適切に対応することが大切です。以下に、記憶の逆行性喪失に対する対応のポイントをいくつか紹介します。

- 認知症の人の記憶の時点に合わせる
認知症の人は、自分がどの時代にいるのか、どの年齢にいるのかが分からなくなることがあります。そのため、周囲の人は、認知症の人の記憶の時点に合わせて話しかけることが望ましいです。例えば、若い頃の配偶者の顔を忘れてしまった認知症の人に対しては、「私はあなたの妻ですよ」と言っても通じません。その場合は、「私はあなたの友人です。あなたの妻は今日は用事があって来られませんでした」と言うなど、認知症の人の世界に入って話すことが効果的です。また、子どもの頃に住んでいた家に帰ろうとする認知症の人に対しては、「今はあなたの家に泊まらせてもらっています。あなたの家はとても素敵ですよ」と言うなど、認知症の人の気持ちを受け止めることが大切です。

- 認知症の人の記憶を思い出させようとしない
認知症の人は、記憶の逆行性喪失によって、自分が体験したことや知っていることを忘れてしまいます。そのため、周囲の人は、認知症の人に「覚えているでしょう」と言ったり、「これは何だか分かるかな」と言って思い出させようとしたりすることがあります。しかし、これは認知症の人にとっては苦痛であり、ストレスになります。

認知症の人とのコミュニケーションのコツ:繰り返しの理由と対応方法

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認知症の人とのコミュニケーションは難しいと感じる人も多いでしょう。しかし、その背景には認知症の人の思考や感情を理解することができていないという問題があります。認知症の人が同じことを繰り返すのには、それなりの理由があるのです。今回は、認知症の人が同じことを繰り返す理由と、それに対する適切な対応方法について解説します。

## 認知症の人が同じことを繰り返す理由とは?

認知症の人が同じことを繰り返すのには、主に以下のような理由が考えられます。

- 短期記憶障害によるもの
- 不安や恐怖感によるもの
- 満足感や安心感を得たいというもの
- 過去の記憶に引き戻されているもの

### 短期記憶障害によるもの

認知症の人は、脳の損傷によって短期記憶力が低下します。短期記憶とは、数分から数時間程度の間に起こった出来事や情報を一時的に保持する記憶のことです。短期記憶が正常に働かないと、さっき言ったことやしたことを忘れてしまいます。そのため、同じ質問をしたり、同じ話をしたり、同じ行動をしたりすることになります。

認知症の人は、自分が繰り返していることに気づいていない場合が多いです。また、繰り返していることを指摘されても、自分は何も悪くないと思っている場合もあります。そのため、繰り返し教えても、効果がないだけでなく、「この人はくどい人だ、うるさい人だ」と受け止められてしまう場合もあるのです。

### 不安や恐怖感によるもの

認知症の人は、自分の記憶力や判断力が低下していることに気づいて不安や恐怖を感じることがあります。また、周囲の環境や人間関係に変化があると、それに対応できなくてパニックになることもあります。そのようなときに、同じことを繰り返すのは、自分を落ち着かせたり、確認したりするための行動と考えられます。

例えば、認知症の人が「今日は何日? 」「今どこにいるの? 」「あなたは誰? 」と何度も聞いてくる場合、それは自分がどこにいて、誰と一緒にいて、何をしているのかを確かめたいという気持ちの表れかもしれません。また、認知症の人が「家に帰りたい」と何度も言ってくる場合、それは現在の状況に不安を感じて、昔の安心できる場所に戻りたいという気持ちの表れかもしれません。

### 満足感や安心感を得たいというもの

認知症の人は、自分の能力や役割が失われていくことによって、自尊心や自己肯定感が低下します。そのため、自分にできることや好きなことを繰り返すことで、満足感や安心感を得ようとすることがあります。

例えば、認知症の人が「お茶を入れる」ということを何度も繰り返す場合、それは自分が得意だったことや楽しかったことを思い出して、自分の存在意義を感じたいという気持ちの表れかもしれません。また、認知症の人が「お母さんはどこ? 」「お父さんはどこ? 」と何度も聞いてくる場合、それは子供の頃に親から受けた愛情や安心感を求めているという気持ちの表れかもしれません。

### 過去の記憶に引き戻されているもの

認知症の人は、長期記憶力が比較的保たれていることが多いです。長期記憶とは、数日から数年以上にわたって記憶されている出来事や情報のことです。認知症の人は、現在の状況に適応できないときに、過去の記憶に引き戻されてしまうことがあります。

例えば、認知症の人が「仕事に行かなきゃ」と何度も言ってくる場合、それは現在ではなく、若い頃に働いていた時代の記憶に引き戻されていると考えられます。また、認知症の人が「子供を迎えに行かなきゃ」と何度も言ってくる場合、それは現在ではなく、子育てをしていた時代の記憶に引き戻されていると考えられます。

## 認知症の人が同じことを繰り返すときの対応方法とは?

認知症の人が同じことを繰り返すときの対応方法は、その理由によって異なります。しかし、共通して大切なことは、認知症の人の気持ちやニーズを理解し、否定せずに受け入れるということです。以下に、具体的な対応方法をいくつか紹介します。

### 短期記憶障害によるもの

- 同じ質問や話に対しても、イライラせずに優しく答える
- 繰り返し教えるのではなく、答えを書いたメモやカレンダーなどを見せる
- 質問や話の内容から、相手が何に興味があるかや何を不安に思っているかを推測し、話題を変えてみる

### 不安や恐怖感によるもの

- 相手の不安や恐怖を否定せずに、共感する言葉をかける
- 相手の感情を落ち着かせるために、声のトーンや表情を穏やかにする
- 相手の好きな音楽や写真などを使って、リラックスさせる

 

認知症の人のこだわりの症状とその対処法

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認知症の人のこだわりの症状とその対処法

認知症の人は、一つのことに集中して抜け出せなくなることがあります。周囲からの反対や説得があるほどに、こだわりが強くなります。これを「こだわりの法則」と呼びます¹。

こだわりの法則は、認知症の人の判断力や思考力、制御力が低下していることが原因です。自分の言動が正しいと思い込み、それがこだわりとして現れます²。

こだわりの症状は、介護者にとっても大きな負担になります。毎日同じことを繰り返したり、不機嫌になったり、トラブルを起こしたりすることもあります³。

そこで、認知症の人のこだわりに対して、どのように対処すればよいのでしょうか?

まず、こだわりの背景やきっかけとなる原因を見つけることが大切です。認知症の人がこだわることには、何か理由がある場合が多いからです。

例えば、毎日同じ食材を買ってくる場合は、その食材に関する思い出や感情があるのかもしれません。また、買い物をしたという記憶がなくなっているため、同じ行動を繰り返しているのかもしれません。

こだわりの原因を見つけるためには、認知症の人の過去の生活や趣味、好きなことなどを知ることが有効です。また、こだわりの症状が出る前後の状況や変化にも注意を払うことが必要です。

こだわりの原因を見つけたら、その原因に対して適切な対策を講じます。例えば、同じ食材を買ってくる場合は、その食材を使って好きなメニューを作ってあげたり、買い物の回数や量を制限したりすることができます。

もちろん、こだわりの原因が見つからない場合や、対策が効果がない場合もあります。そのようなときは、次のような方法も試してみましょう。

- こだわりを否定しない。認知症の人のこだわりは、本人にとっては事実です。否定すると、不満や疑いの気持ちが強くなります。
- こだわりから注意をそらす。説得するよりも、こだわりから関心がなくなるように、趣味や好きなことに誘導することが効果的です。
- 第三者に登場してもらう。家族や介護者には聞かないことでも、医師や友人などの第三者には聞くことがある場合があります。
- 場面転換をする。こだわりの症状が出る場所や時間を変えることで、気分や状況が変わることがあります。
- 地域の協力や理解を得る。こだわりの症状が家族間を超えたトラブルになることもあります。そのときは、近所の人や店員などに事情を説明して、協力や理解を求めることが大切です。
- 一手だけ先手を打つ。こだわりの症状が予想できる場合は、事前に対策を準備しておくことが有効です。例えば、毎日同じ服を着たがる場合は、同じ服を複数用意しておくことができます。
- 長期間は続かないと割り切る。こだわりの症状は、認知症の進行とともに変化することがあります。今は辛くても、いつかは収まるということを忘れないでください。

 

認知症の人の感情の世界について

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# 認知症の人の感情の世界について

こんにちは。今回は、認知症の人の感情についてお話ししたいと思います。

認知症とは、脳の機能が低下して、記憶や判断力、言語能力などが衰えていく病気です。 認知症の人は、自分が話したり聞いたりしたことを忘れてしまうことがあります。 しかし、その一方で、感情の世界はしっかりとその人の中にその時のまま残り続けるという特徴があります。

## 認知症の人の感情は健常者と同じ

認知症の人は、記憶や認知機能が低下しても、感情は健常者と同じように感じています。 例えば、喜びや悲しみ、怒りや恐怖などの基本的な感情は、認知症の人も健常者と同じように表現します。 また、自分の人生に対する価値観や信念、好き嫌いなどの個性的な感情も、認知症の人にも存在します。

認知症の人は、自分の感情を言葉で伝えることが難しくなることがありますが、それは感情がなくなったということではありません。 むしろ、感情はより強くなっていることがあります。 認知症の人は、自分の感情を表現するために、身振りや表情、声のトーンなどの非言語的な方法を使うことが多いです。

## 認知症の人は周囲の感情に敏感

認知症の人は、自分の感情だけでなく、周囲の人の感情にも敏感に反応します。 これは「感情伝染」と呼ばれる現象で、認知症の人は、健康な人よりも他人の負の感情を感じ取る傾向が強いことが科学的に証明されています。

例えば、介護する家族がイライラしながら接すると、認知症の人も攻撃的になったり、不安そうにしていると、認知症の人も不安感が強くなったりします。 逆に、介護する家族が笑顔で優しく接すると、認知症の人も安心して穏やかになったりします。

## 認知症の人の感情に寄り添うことが大切

認知症の人の感情について理解することは、介護のコミュニケーションにとって重要です。 認知症の人の感情は、その人のニーズや欲求を表しています。 例えば、認知症の人が怒ったり暴れたりするときは、何か不満や不安があることを示しているかもしれません。 そのときに、認知症の人の言動を否定したり、叱ったりすると、さらに感情がエスカレートしてしまうことがあります。

認知症の人の感情に寄り添うには、以下のようなことを心がけるとよいでしょう。

- 認知症の人の感情を否定しないで、受け入れてあげる
- 認知症の人の感情の裏にあるニーズや欲求を探ろうとする
- 認知症の人の感情を共感してあげる
- 認知症の人の感情を落ち着かせるために、優しい言葉や触れ合いを使う
- 認知症の人の感情を肯定してあげる

認知症の人の感情に寄り添うことで、認知症の人との関係はより良くなりますし、介護する家族のストレスも軽減されます。 認知症の人の感情の世界について、これからも学んでいきましょう。