認知症とは、脳の機能が低下し、記憶力や判断力などが衰える病気です。高齢者に多く見られ、2020年の調査では日本で602万人に上る有病率が報告されました。この記事では、認知症の危険因子とその予防について探ります。
認知症とは、脳の機能が低下して、記憶力や判断力などが衰える病気です。認知症には、アルツハイマー型や血管性などの種類があります。認知症は、高齢者に多くみられる病気で、日本では認知症の有病率が2020年には602万人にのぼると言われています。
認知症は、現在のところ完治する方法がありません。しかし、認知症の発症や進行を遅らせることは可能です。そのためには、認知症の危険因子を知り、予防することが大切です。
認知症の危険因子とは、認知症になりやすくする要因のことです。例えば、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、認知症の危険因子としてよく知られています。これらの病気は、脳の血管を傷つけたり、脳細胞にダメージを与えたりすることで、認知症を引き起こす可能性があります。
実際に、福岡県の久山町で行われた長期的な調査では、高血圧や糖尿病と認知症の有意な関係が明らかになっています。この調査では、1985年から2012年までに5回、65歳以上の全住民を対象に認知症の有病率を測定しています。その結果、高血圧や糖尿病の有病率が上昇するにつれて、認知症の有病率も上昇していることがわかりました。特に、アルツハイマー型認知症は、食後高血糖などの糖代謝異常と強く関連していました。
このように、高血圧や糖尿病は、認知症になるリスクを高めることが科学的に証明されています。したがって、これらの生活習慣病を予防することは、認知症を予防することにもつながります。
では、具体的にどうすればよいでしょうか。高血圧や糖尿病を予防するためには、以下のような生活改善が必要です。
- 塩分や油分の摂りすぎを避ける
- 野菜や果物などのビタミンや食物繊維を多く含む食品を摂る
- 適度な運動をする
- 喫煙や過度な飲酒を控える
- 定期的に健康診断を受ける
これらはすべて、私たちが日常的にできることです。少しでも早く始めることで、効果的に認知症の予防に役立ちます。
認知症は、誰にでも起こりうる病気です。しかし、誰でも予防することができます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防することで、認知症の発症や進行を遅らせることが可能です。ぜひ、健康な生活を心がけて、認知症の予防に努めましょう。