廃用症候群とは?
廃用症候群とは、病気や怪我などの治療のために、長期間にわたって安静状態を続けることで、身体機能が低下する状態です。
筋肉や関節だけでなく、心臓や肺、消化器などの臓器や、脳や精神の機能も低下します。
廃用症候群は、寝たきりや車いす生活を余儀なくされた場合などに、特に起こりやすいと考えられています。
廃用症候群の原因
廃用症候群の原因は、主に安静状態の長期化です。
筋肉は、使わなければどんどん細くなってしまいます。また、関節は動かさなければ、関節の可動域が狭くなり、動きにくくなります。
臓器も、使わなければ機能が低下します。例えば、心臓は血液を送り出す力が弱くなり、肺は酸素を取り込む力が弱くなります。
精神の機能も、使わなければ低下します。例えば、抑うつや無為無欲などの精神症状が現れることがあります。
廃用症候群の症状
廃用症候群の症状は、主に運動器障害、臓器障害、精神機能障害の3つに分けられます。
運動器障害
筋萎縮や筋力低下、関節拘縮、歩行障害などが挙げられます。
筋萎縮とは、筋肉が痩せ細ってしまうことです。筋力低下とは、筋肉の力が弱くなることです。関節拘縮とは、関節の可動域が狭くなることです。歩行障害とは、歩行が困難になることです。
臓器障害
心臓や肺、消化器などの機能低下、骨粗しょう症、免疫機能低下などが挙げられます。
心臓や肺の機能低下は、息切れや動悸などの症状を引き起こします。消化器の機能低下は、食欲不振や便秘などの症状を引き起こします。骨粗しょう症は、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。免疫機能低下は、感染症にかかりやすくなります。
精神機能障害
抑うつ、無為無欲、不安、認知機能低下などが挙げられます。
抑うつは、気分が落ち込み、やる気が出なくなることです。無為無欲は、何をしても楽しくなく、やる気が出ないことです。不安は、落ち着かず、不安な気持ちが続くことです。認知機能低下は、記憶力や判断力が低下することです。
廃用症候群の予防と治療
廃用症候群の予防には、適度な運動や活動が大切です。
入院や介護を必要としている場合でも、リハビリテーションや自宅での自主的な運動などを積極的に行うようにしましょう。
リハビリテーションでは、運動や物理療法などによって、身体機能を回復させていきます。
薬物療法では、筋力低下や抑うつなどの症状を改善する薬剤が使用されることがあります。
廃用症候群の対策
廃用症候群の対策として、以下の点に注意しましょう。
安静状態をできるだけ短くする
適度な運動や活動を行う
リハビリテーションを受ける
安静状態を長く続けると、廃用症候群のリスクが高まります。そのため、入院や介護を必要としている場合でも、できるだけ早く活動を開始することが大切です。
また、適度な運動や活動を行うことで、身体機能を維持することができます。