認知症サポートの道

「認知症と向き合う人々の支え手。認知症の勉強を日々研鑽中。」

認知症ケアの歴史と現在

f:id:yacchan77:20240114054313j:image

認知症ケアの歴史

日本における認知症ケアの歴史は、大きく2つの時代に分けられます。

1960年から1990年代は、「アケアなきケアの時代」と呼ばれています。

この時代には、認知症の原因や症状が十分に理解されておらず、介護は施設や家族に任せきりの状態が続いていました。認知症の人は、精神科病院や老人病院に入院させられたり、自宅で家族に介護されていたりすることが多く、その人らしい生活を送ることができないケースも少なくありませんでした。

2000年代以降は、認知症の人を地域で支える時代へと移行しつつあります。

この時代には、認知症施策の推進により、早期診断や地域包括ケアシステムの整備が進み、認知症の人の地域での生活を支える環境が整いつつあります。

具体的な変化

認知症の原因や症状に関する研究の進展により、認知症の人の理解が深まりました。これにより、認知症の人も一人の人間として尊厳を持って接する必要があるという考え方が広まり、介護の質の向上につながりました。
介護保険制度の導入により、在宅介護や地域包括ケアシステムの整備が進みました。これにより、認知症の人でも自宅で生活を続けながら必要な支援を受けることが可能になりました。
認知症の人や家族の意識の変化により、地域での暮らしを望む人が増えて来ました。認知症の人や家族が、自分たちの力で生活を維持していきたいという意欲を持つようになったことも、地域で支えるケアの推進につながりました。
これからの認知症ケア

今後も、認知症の人口は増加の一途をたどっていくことが予想されています。そのため、認知症の人一人ひとりの尊厳を守り、地域の中でいきいきと暮らせるように支援していくことが重要です。

具体的には、以下のことに取り組んでいくことが求められます。

早期診断・早期介入の推進
認知症の進行を遅らせるためには、早期診断・早期介入が重要です。そのため、認知症の早期発見・早期診断を促す啓発活動や、早期介入を担う体制の整備が必要です。

地域包括ケアシステムの充実
認知症の人でも、自宅で自分らしい生活を送ることができるように、地域包括ケアシステムの充実が求められます。そのため、在宅介護や訪問介護などのサービスの拡充、認知症サポーターなどの地域の支援者の育成、認知症の理解を深めるための啓発活動などが重要です。

認知症の人や家族の支援
認知症の人は、介護を必要とするだけでなく、孤独感や不安感などの精神的・心理的な負担も抱えています。そのため、認知症の人や家族を支援するための相談窓口や支援サービスの充実が必要です。

認知症ケアは、私たち一人ひとりが関わっていくべき課題です。認知症の人に寄り添い、一人ひとりの尊厳を守れるような社会を実現するために、私たちにできることを考えていきましょう。

認知症ケアに関する団体や相談窓口

認知症ケアに関する情報や相談窓口は、以下のサイトなどで確認することができます。

認知症の人と家族の会 全国連絡協議会
認知症介護推進センター
厚生労働省 認知症施策ポータルサイト
認知症の疑いがある方や、認知症の人と接する機会がある方は、ぜひこれらのサイトを参考にしてみてください。