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【アルツハイマー型認知症】とは?原因・症状・診断・治療・予防について解説

肉親や友人、大切な人がアルツハイマー認知症になると、その無力感と悲しみは言葉にできないものですよね。でも、この病気の本当の原因ってご存知ですか?そもそもなぜ脳が影響を受けるのでしょうか?

今回は、アルツハイマー認知症の根本的な原因から、症状、診断の方法、脳委縮との関連、さらには治療法や予防策まで、包括的にご紹介していきます。

この記事を読めば、その背後に潜む謎が少しずつ解明され、アルツハイマー認知症に対する理解が深まることでしょう。未来への備えとして、ぜひお役立てください。

 

1|アルツハイマー認知症の原因

完全には解明されていませんが、脳内にアミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が蓄積することで神経細胞が障害されると考えられています。また、加齢、家族歴、頭部外傷、糖尿病、高血圧なども発病のリスクを高める要因とされています。

 

 

2|アルツハイマー認知症の症状

徐々に進行します。初期には、物忘れや見当識障害などの軽度の症状が現れます。進行すると、判断能力の低下、物盗られ妄想、徘徊、介護拒否などの症状が現れるようになります。最終的には、記憶が完全に失われ、言語機能や身体機能が低下し、寝たきりの状態になることもあります。

 

3|アルツハイマー認知症の診断

問診や一般的な神経学的な診察の後に、認知機能のテストや頭部MRICTなどの画像検査、採血検査などで行われます。より詳しい検査としては、脳脊髄液検査やMIBG心筋シンチグラフィーなども行われることがあります。

 

4|アルツハイマー認知症と脳委縮

アルツハイマー認知症では、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりします。その原因の一つに、細胞の中に特殊なたんぱく質ができることが挙げられます。このたんぱく質ルツハイマー原線維】と呼ばれ、細胞の正常な働きを妨げます。アルツハイマー原線維は、脳の記憶や思考に関係する部分である海馬を中心に広がっていきます。
脳の細胞が死んだり働かなくなったりすると、脳全体の大きさや重さが減ってしまいます。これを脳委縮】と言います。脳委縮は、CT画像で見ることができます。CT画像では、脳委縮した部分は黒く表示されます。脳委縮は、記憶障害や判断力の低下などの認知症の症状と関係しています。
アルツハイマー認知症は、現在完治する方法はありませんが、早期に発見し治療を始めることで、進行を遅らせることができます。もし自分や家族にもの忘れや判断力の低下などの症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

 

5|アルツハイマー認知症の治療法

根本的なものはありません。しかし、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬などの薬物療法を用いて症状の改善や進行の遅延が可能です。また、必要に応じてケアやリハビリテーションも行われます。

 

6|アルツハイマー認知症の予防

定期的な運動や社会的な活動、健康的な食事、良質な睡眠などの生活習慣の改善が重要です。早期の発見と治療も進行を遅らせる効果があることも覚えておきましょう。

 

アルツハイマー認知症は、誰もがなりうる病気です。この病気に関する理解を深めることで、予防や早期対策につなげることができます。

 

終わりに

最後になりましたが、アルツハイマー認知症についてのご理解が深まりましたことを願っております。この記事を通じて、症状や診断、治療法、そして予防策についての情報がお役に立てたことと存じます。アルツハイマー認知症は、患者だけでなくその家族やケアの提供者にも大きな影響を与える疾患です。早期の対応や正しい知識を持つことが、この病気に対する最善のアプローチとなるでしょう。今後も最新情報に目を向け、大切な方々の健康と幸福を守るために役立てていただければ幸いです。どうもありがとうございました。