認知症サポートの道

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認知症の予防に音が効果的?【ガンマ波サウンドスピーカー】とは

認知症について

人生100年時代になりましたが、その中で脳の健康を保つことはとても大切ですよね。しかし、日本では2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予想されています。認知症は完治することは難しいので、予防することが重要です。

認知症にはいろいろな種類がありますが、その中でも最も多いのがアルツハイマー認知症です。このタイプの認知症は、脳の神経細胞の周りにアミロイドβというタンパク質がたまってしまうことで起こります。このタンパク質は正常な人の脳にもあるのですが、何らかの原因でうまく処理されなくなると、神経細胞の働きを邪魔して脳を小さくしてしまうのです。

ガンマ波サウンドスピーカーとは

そこで注目されているのが、音を使った認知症の予防法です。WHOは認知症のリスクを低くするために12項目のガイドラインを発表しました。その中には、運動や食生活などの生活習慣の改善だけでなく、五感からの刺激を通じて脳に刺激を与えることも含まれています。

特に聴覚からの刺激は、脳波に影響を与えることがわかっています。マサチューセッツ工科大学では、マウスに40ヘルツ周期の断続音(1秒間に40回オン・オフする音)を聴かせたところ、脳波がガンマ波というパターンになりました。ガンマ波は、情報処理や記憶などに関係する脳波です。この実験では、ガンマ波が発生することでアミロイドβタンパク質が減少し、空間記憶も改善したという驚くべき結果が得られました。

この効果は人間にもあるかもしれません。同じ大学では、人間に40ヘルツ周期の断続音と断続光を同時に与えた実験でも、ガンマ波が発生することが確認されました。さらに、若年者や高齢者、軽度のアルツハイマー認知症患者など3つのグループで、脳室や海馬という部分の萎縮が抑制されたという報告もあります。

これらの研究から、40ヘルツ周期音を聴くことで脳を活性化し、認知症の予防に役立つ可能性があると考えられています。そこで開発されたのが、ガンマ波サウンドスピーカーという商品です。これは、40ヘルツ周期音を発生させることができるスピーカーで、日常生活に取り入れやすいように設計されています。例えば、音楽やラジオなどの音源に40ヘルツ周期音を重ねて聴くことができます。また、音量や音色も調整できるので、自分の好みに合わせて使うことができます。

まとめと感想

今回は、認知症の予防に音が効果的かもしれないという話題を紹介しました。40ヘルツ周期音を聴くことで脳波がガンマ波になり、アミロイドβタンパク質が減少したり、脳の萎縮が抑制されたりする可能性があるという研究結果があります。そのために開発されたガンマ波サウンドスピーカーは、日常生活に簡単に取り入れられる便利な商品です。

認知症は自分だけでなく、家族や友人にも関係する大きな問題です。予防する方法はいろいろありますが、音を使う方法は比較的手軽で楽しいと思います。ガンマ波サウンドスピーカーはまだ研究段階の商品ですが、将来的には一般にも広まってほしいと思います。