認知症サポートの道

「認知症と向き合う人々の支え手。認知症の勉強を日々研鑽中。」

認知症予防のために今すぐ始めたい5つの習慣と食べ物

高齢者の約5人に1人が認知症になると言われている今、予防するには早めの対策がカギです。

まずは自分がアルツハイマー予備軍」かどうかチェックしてみましょう!

 

1|アルツハイマー予備軍チェックリスト

□人や物の名前がすぐ出てこない

□忘れ物が増えた

□集中力が落ちた

□「いつも同じことを聞く」と言われる

□以前に比べて気力が落ちた

□匂いや味がわからなくなってきた

一つでも当てはまる項目があったら要注意!これらはアルツハイマー病の初期症状としてよく見られるものです。

しかし、安心してください。今野先生によると、これらの症状は生活習慣を見直すことで治る可能性があるそうです。

では、具体的にどんな生活習慣を心掛ければいいのでしょうか?

2|9割の改善率!新しい治療法「リコード法」とは?

アルツハイマー病は、「アミロイドβ」という物質が脳に蓄積することで発症すると考えられています。

これまでの治療法では、この物質の蓄積を防ぐことや、取り除くことに焦点を当てていました。

しかし、最近注目されている新しい治療法「リコード法」では、アミロイドβが増えるそもそもの原因に着目します。

その原因とは、食事や運動、睡眠といった生活習慣です。

リコード法では、これらの生活習慣を改善することで、アルツハイマー病を根本的に治すことを目指します。

アメリカでは、リコード法による治療で初期のアルツハイマー患者の9割に改善が見られたそうです。

3|今すぐできる!5つの認知症予防習慣

リコード法に基づく認知症予防習慣は大きく5つあります。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 3-1| ケトフレックス12/3食事法

「ケトフレックス12/3食事法」とは、以下の3つをルールにした食事法です。

  • ケトン体を作る食べ物を取り入れる
  • 食事は野菜を中心に組み立てる
  • 12時間のプチ断食
  【ケトン体を作る食べ物を取り入れる】

アルツハイマー病の脳はブドウ糖をうまく使えないため、代わりにケトン体という物質をエネルギー源にします。

ケトン体を作り出すのに特に重要なのは、良質な脂質です。

ナッツや卵、青魚、オリーブオイル、エゴマ油、亜麻仁油などを積極的に取り入れましょう。

なお、砂糖やブドウ糖などの糖質はケトン体を作りにくくするので、できるだけ控えるのがポイントです。

  【食事は野菜を中心に組み立てる】

野菜に含まれる食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

また、野菜が持つ様々な栄養素は、脳の炎症や老化の原因になる酸化を抑えてくれます。

野菜は葉物野菜を中心に、海藻やキノコ類も取り入れましょう。

  【12時間のプチ断食】

「夕飯は寝る3時間前までに済ませ、朝ごはんまで12時間空ける」という時間のルールです。

食事を取らない時間を作ると、その間に細胞内をきれいにして老化を遅らせる「オートファジー」というメカニズムが働きます。

また、空腹になると、老化を遅らせ寿命を伸ばす「長寿遺伝子」が働き出し、体のメンテナンスが始まります。

さらに、ケトン体を増やすのにも役立ちます。

 3-2|1回約30分、週2~3回の有酸素運動

ウォーキングなどの有酸素運動には記憶力を高める効果があります。

1回あたり30分程度、週に2~3回程度の有酸素運動を生活習慣に取り入れましょう。

さらに、運動をしながら同時に頭も使うとより効果的です!

ウォーキングをしながら100から3を引き続けたり、2~3人でしりとりをしながら歩いたりすれば、脳と体の機能を効果的に向上させられます。

 3-3| ストレスケアを意識する

ストレスは認知症のリスクを高めるといわれています。

ストレスホルモンは血流を悪く

して、神経細胞の活動を妨げます。また、記憶を司る海馬という脳の部位は、ストレスを感じると萎縮しやすいため、注意が必要です。

ストレスの管理は、認知症予防において大切な要素の一つです。瞑想(マインドフルネス)や、ものの見方を変えて気持ちを楽にする「認知行動療法」など、ストレスケアにもさまざまな方法があります。

自分に合ったやり方を見つけて、ストレスを上手にコントロールしましょう。

 3-4| 脳を刺激する知的活動

新聞や雑誌を読む、日記を書く、歌うなどの頭を使う活動は、脳を刺激して老化予防をサポートします。

また、人との交流も脳を刺激する知的活動の一つです。外に出て日光を浴びれば、認知症発症を抑えるのに役立つビタミンDも体内で合成されます。

習い事を始めてみる、友人や家族と定期的に会うなどして、意識的に脳に刺激を与えましょう。

 3-5| 1日7時間を目安に十分な睡眠を

短時間睡眠は認知症リスクを高めるといわれています。1日7時間を目安に、しっかりと睡眠をとりましょう。

一般的に年をとるにつれて眠りが浅くなり、睡眠時間も短くなります。「よく眠れない」という人は、寝室の環境や寝具を整えるなどの工夫をしましょう。

睡眠が足りないときは、午後3時までに30分以内のお昼寝を試してみましょう。

4|毎日の食事で積極的に取りたい3つの成分と食べ物

5つの認知症予防習慣をご紹介しましたが、中でも特に重要とされているのが毎日の食事です。

中でも、積極的に取りたい成分と食べ物は次の3つです。

 4-1| オメガ3脂肪酸

DHAEPA、αリノレン酸などのオメガ3脂肪酸には、慢性炎症を抑えて、認知症の予防・改善に役立つ効果があります。

食品では、まぐろ、さば、さんま、ぶり、いわし、エゴマ油、亜麻仁油などに多く含まれています。

 4-2| たんぱく質

たんぱく質は、神経細胞神経伝達物質を作る原料になります。肉や魚、卵、大豆製品などから、体重1kgあたり1g以上を目安に毎日取りましょう。

 4-3| プロポリス

プロポリスには、脳の神経細胞を傷つける原因である慢性炎症を抑え、認知機能の低下を防ぐ可能性があることがわかってきています。

さらに、プロポリスを24週間飲用した試験では、もの忘れを自覚する人たちの記憶力が改善したというデータもあります。

またプロポリスは、さまざまな健康効果が認められてきている注目の素材でもあります。

食が細い人や、食生活が偏りがちな人は、サプリメントなどもうまく活用しながら、認知症予防につながる栄養素を積極的に取り入れていきましょう。

まとめ

かつては「予防できない」「治らない」と言われていた認知症ですが、食事などの生活習慣を早めに見直せば、発症リスクを下げたり、症状を改善できることがわかってきています。

今回ご紹介した5つの予防習慣は、どれもすぐに取り入れられる簡単なものばかりです。

イキイキとした将来のために、できることからぜひ始めてみましょう!