認知症サポートの道

「認知症と向き合う人々の支え手。認知症の勉強を日々研鑽中。」

認知症の人の兆候3選

認知症の兆候3選:自分は大丈夫と言っても、大丈夫じゃない

認知症は、脳の機能が低下することで、記憶や思考、判断などの能力に障害が出る病気です。65歳以上の高齢者に多くみられますが、40歳代から発症することもあります。

認知症の兆候は、人によってさまざまですが、初期には以下のような症状がみられることがあります。

物忘れがひどくなる
同じことを何度も聞く、話す
判断力が低下する
見当識障害(今日が何月何日かわからない、自分の名前がわからないなど)
今回は、認知症の初期症状の中でも、特に注意したい3つの兆候についてご紹介します。

1. 自分は大丈夫と言っても、大丈夫じゃない

認知症の人は、自分の症状を自覚しにくく、自分は大丈夫だと言い切ることがあります。しかし、本人が大丈夫だと思っていることで、症状が悪化するのを防ぐことができず、周囲の人も気がつきにくいという問題があります。

例えば、同じことを何度も聞く、話すという症状があるにもかかわらず、本人は「いつものことだから」と気に留めないことがあります。また、見当識障害があるにもかかわらず、本人は「年だから」と納得してしまうことがあります。

本人が大丈夫だと言っていても、周囲の人が気になることがあれば、無理に否定せずに、病院を受診するように勧めましょう。

2. 大丈夫じゃないことを追及するとひらきなおる

認知症の人は、自分の症状を否定しようとする傾向があります。そのため、本人が大丈夫だと思っていることを追及すると、ひらきなおって、自分が困っていることを認めることがあります。

例えば、物忘れがひどいことを本人に指摘すると、最初は「大丈夫だよ」と否定するかもしれません。しかし、追及していくと「確かに、最近は忘れることが多くなったかも」と認めることがあるのです。

本人が自分の症状を認めれば、早期発見・早期治療につながります。そのため、周囲の人が気づいたことは、根気強く本人に伝えることが大切です。

3. 絶対という言葉を多用する

認知症の人は、自信を持って物事を判断することが難しくなります。そのため、絶対という言葉を多用するようになることがあります。

例えば、料理の味付けを失敗したときに、「絶対においしい」と自信満々に言うことがあります。また、見当識障害があるときに、「絶対に今日が何月何日だ」と主張することがあります。

絶対という言葉を多用するようになったら、認知症の可能性を疑ってみるのもよいでしょう。

認知症の兆候は、人によってさまざまです。しかし、上記のような兆候がみられる場合は、早めに病院を受診して、専門医の診断を受けることが大切です。

認知症は、早期発見・早期治療が重要です。周囲の人が気づいたことがあれば、無理に否定せずに、本人に伝えるようにしましょう。