認知症サポートの道

「認知症と向き合う人々の支え手。認知症の勉強を日々研鑽中。」

ICDとは何か?ICD-11の特徴と重要性について解説します

f:id:yacchan77:20240123095630j:image

 

ICDとは何か?ICD-11の特徴と重要性について解説します

https://youtube.com/shorts/ttrA3OxFNwo?si=s3mjlQ6mVWUAXgPz

ICDとは

ICDとは、International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problemsの略で、日本語では「国際疾病分類」と呼ばれます。ICDの目的は、病因や死因を分類して、統計データを体系的に記録し、分析することです。ICDは、世界保健機関(WHO)が作成しており、世界中の国々が参加しています。ICDは、医療の現場や政策決定、研究や教育など、さまざまな分野で活用されています。

ICD-10とICD-11

ICDは、時代や医学の進歩に合わせて、定期的に改訂されてきました。最新版のICD-11は、2022年1月に発効され、国内および国際的な病名や死因の記録・報告などに使用されます。ICD-11は、以前使用されていたICD-10と比べて、以下のような特徴があります。

- 最新の医学的知見が反映されている:ICD-11には、新たに追加された病気や症状があります。例えば、ゲームを止めたいと思っていても、自分の意志で止められない「ゲーム症/ゲーム障害」は、ICD-11から登場した名称です。また、これまで、自身の性別に対して違和感を覚える症状は「性同一性障害」として「精神および行動の障害」に分類されていましたが、ICD-11では「性別不合」という名称で、精神疾患ではなく「性の健康に関連する状態」の分類に記載されることになりました。上記以外にも、変更・追加された箇所は多数あり、分類項目数は約14,000(ICD-10)から約18,000にまで増えています。
- デジタル化されている:ICD-11は、オンラインで閲覧や検索ができるようになっています。また、ICD-11は、電子カルテや医療情報システムと連携できるように、コード化や構造化されています。これにより、データの入力や管理が容易になり、医療の質や効率、公平性、透明性を高めることができます。
- 多言語化されている:ICD-11は、英語だけでなく、日本語や中国語、フランス語、スペイン語など、さまざまな言語に翻訳されています。これにより、世界中の人々が、自分の言語でICDを理解し、利用することができます。

ICDの役割と重要性

ICDは、病気や死因の統計をとるだけでなく、医療の質や効率、公平性、透明性を高めるためにも重要な役割を果たしています。ICDは、以下のような分野で活用されています。

- 医療の現場:ICDは、医師や看護師などの医療従事者が、患者の診断や治療、予防などの医療行為を記録する際に使用されます。ICDにより、患者の病歴や病状を正確に伝えることができ、医療の質や安全性を向上させることができます。また、ICDは、医療費の算定や保険の請求などの経済的な面でも重要です。ICDにより、医療費の適正化や保険の公平化を促進することができます。
- 政策決定:ICDは、政府や行政機関が、国民の健康状態や医療ニーズを把握する際に使用されます。ICDにより、病気や死因の傾向や分布を分析することができ、医療政策や予算の策定や評価に役立てることができます。また、ICDは、公衆衛生や感染症の対策などの緊急事態にも対応できます。ICDにより、疫学調査や監視システムを構築することができ、感染症の発生や拡散を早期に把握し、適切な対応を行うことができます。
- 研究や教育:ICDは、医学や保健学などの研究や教育にも使用されます。ICDにより、病気や死因の原因やリスク要因、予後や予防などを科学的に探求することができ、医学の発展に寄与することができます。また、ICDは、医学生や医療従事者の教育や研修にも活用されます。ICDにより、病気や死因の分類や命名、コーディングなどを学ぶことができ、医療の専門性や国際性を高めることができます。

まとめ

ICDとは、病因や死因を分類して、統計データを体系的に記録し、分析するための国際的な基準です。ICDは、最新版のICD-11により、最新の医学的知見が反映され、デジタル化され、多言語化されました。ICDは、医療の現場や政策決定、研究や教育など、さまざまな分野で活用されており、世界中の人々の健康と幸せに貢献するために、常に進化し続けています。